Q1 高速道路にある「登坂車線」って?
A1 高速道路上の斜度のきつい上り坂に設置されている車線で、斜度がきついためやむを得ず、最低速度(50km/時)に達しない速度でしか走れない車(大型車や貨物車など重量の大きな車など)が、低速走行出来るように設置してある車線のことをいいます。

Q2 ということは、「登坂車線」は最低速度(法定50km/h)以下で走っていいの?
A2 「登坂車線」には、最低速度は適用されず、安全に低速走行することができる部分なんです。

Q3 では、「登坂車線」の最高速度は?
A3 登坂車線の最高速度は60km/hです。登坂車線は法的には「付加車線」という位置づけになります。
  道路交通法では、最高速度については、法定速度(道路交通法施行令第27条)と公安委員会が指定する規制速度(道交法第4条)があります。
  令第27条では「本線車道を通る場合の最高速度・・・」と規定しており、高速道路における最高速度の対象は「本線車道を走行する自動車」ということになります。
  前述のように「登坂車線は付加車線」という位置づけであることから、本線車道以外の道路になり、したがって登坂車線の最高速度(法定)は一般の道路と同じ60km/hが適用されるのです。
 
Q4 高速道路の車線にはどういうものがあるの?
A4 高速道路または自動車専用道路(両者を併せて道交法上は「高速道路等」と言います.)では、通常高速走行をする部分は、加速車線、減速車線、登坂車線、路側帯、路肩と区別されています。そのほか、ランプウエイ、補助車線(ジャンクションなど車線が本線に合流する場合に設けられる車線)などがありますが、道交法上の「本線車道」というのは、走行車線、追越車線だけです。
  登坂車線、加速車線、減速車線、ランプウエイ、補助車線、路肩は本線車道以外ということになります。
  道交法上、高速道路等の最高速度と最低速度に関する規定は「本線車道」が対象となっています。

Q5 本線車道と付加車線を見分けるのはどうしたらいい?
A5 高速道路には、本線車道と付加車線があり、付加車線は本来の高速道路等の本線車道に付加された車線なので、本線車道以外の道路ということになります。
 付加車線の代表的なものには「登坂車線」があり、一般的には、登坂車線は始まりと終わりに標識がありますよね。また、付加車線や補助車線(合流部)などは車線の境界にひかれている白線部分が異なります。一般的に「車線境界」を示すものは 白線の波線(白線8m 非白線(空間)12mの合計20mが一区切り)になっています(写真)が、付加車線との境界は点線になっており、点線の外側(つまり補助車線など)は本線車道外になります。
  もちろん道路左端の白線実線は車両通行帯外側線を意味しますので、その外側は路肩になり、通行してはいけない場所になりますよ。






Q6 登坂車線など付加車線を使って追い抜きや追越しをする自動車があるがいいの?
A6 登坂車線の最高速度は60km/hなのでそれ以上の速度で進行すると速度違反になります、追越しのための車線ではないので、もしこの車線を使って左側から追越しをすると「追越し方法違反」になります。
  付加車線は、速度の遅い自動車が走行し、本線車道の渋滞を防止するために設けられた道路の部分なので、速く走る自動車が走行する部分ではなく、Q3に書いたように、最高速度も本線車道の速度と異なるのです。
  また、キープレフトの原則から、速度の遅い車から左側車線から順次走行することとされているので、登坂車線などの付加車線を、走行車線などよりも速い速度で付加車線を走行すると違反として問議されることがあります。

Q7 「三角停止表示板」は携帯義務がないのですか?
A7 高速道路で故障等より停止した場合には、政令により三角停止表示板や灯火式の停止表示器材を表示しなければならないとされていますが、これらについては携帯義務はありません。
  故障等により停止した際に表示することが必要なのであり、結果として携帯していないといざ必要となった場合に表示することが出来ません。危険を伴うことから表示しないことに罰則を付けたので、故障等しないなら必要がないことから携帯の義務まではないのです。
<参考>
  道路交通法第75条の11では「高速道路の本線車道若しくはこれに接する加速車線若しくは減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において、故障等により自動車を運転することができなくなったときに、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止していることを表示しなければならない。」と規定されている。

Q8 この場合の「故障等の理由」とは具体的にどのような場合ですか?
A8 故障等とは、故障はもちろん、交通事故、運転を継続することができないような病気や眠気などが生じた場合などをいいます。

Q9 ハザードランプ(非常点滅表示灯)を点滅させただけではだめなのですか?
A9 その通りです。
  Q7で記載したとおり、高速道路では故障等の理由で停止する場合には、三角停止表示板などの表示器材を表示することが義務つけられています。
  もちろん、道交法第52条第1項及び施行令第18条2項により、「夜間等においては停車又は駐車するときは尾灯や非常点滅表示灯を点滅させる」こととされています。
  故障等で停止する際には、非常点滅表示灯と三角停止表示板などの停止表示器材を表示しましょう。

Q9 高速道路等で片側2車線以上のところではどこを走ればいいのですか?
Q9 高速道路等(高速道路または自動車専用道路)で、本線車道が片側2車線以上ある場合には、最も右寄りを追越車線それ以外を走行車線といい、追越し車線は前車を追い越すための車線となっている。キープレフトの原則に従って、速度に応じて左側の車線から順次走行することになる

Q10 追越し車線を長く走行していると違反になると聞きましたが?
Q10 Q9で記載したように、本線車道は速度に応じて左側の車線から順次走行することになり、追越し車線(最右側車線)は追越しのための車線ですから追越し以外に走り続けると通行帯違反になります。

Q11 本線車道へ入るときどのくらいまで加速すればいいのですか?
Q11 加速車線を十分に使って本線車道を通行する車両の速度まで加速します。また、本線車道へ入る時は、本線車道を通行している車の進行を優先しその通行を妨げてはならないこととされています。
 JCT(ジャンク)などでは、複数の本線車道と本線車道が合流する場合もあります。その際には標識や路面標示により優先関係が明示されていたり、走行すべき車線が指定されていることがありますのでそれにしたがってください。

Q12 いわゆる暫定二車線道路といわれている「片側一車線の道路」でも最低速度は適用されるのですか?
Q12  「暫定二車線道路」とは、片側1車線で中央分離帯などで往復の方向が分離されていない道路を言います。このような道路の本線車道においては道交法上、高速道路等を通行する自動車の最高速度(法定速度)及び最低速度の適用はされないことになります。

Q13 では、いわゆる暫定二車線道路といわれている「片側一車線の道路」の最高速度(法定)は?
A13  Q12のような理由から、そのような構造の高速道路等の最高速度は一般道路の法定速度と同じ60km/hとなります。なお、公安委員会の交通規制で、道路標識により「70km/h」などに指定されている場合(指定速度)もあります。

Q14 「ゆずり車線」とはなんですか?
A14 片側1車線の本線車道の場合、最低速度規制が適応されないため、低速車両が混在することになり交通渋滞等の原因となることがあるので、「ゆずり車線(ゆづりゾーン)」を設けています。ここは後続車両に進路をゆずるための車線です。

Q15 高速道路等で流出するインターを間違ってしまった場合、バックしてもいいのですか?
A15 高速道路は一方通行になっています。警察官の指示がある場合を除いて本線車道上ではUターンしたりバックしたり、中央分離帯を横切ったりすることは禁止されています。

Q16 高速道路等で故障した場合にはどうしたらいいですか?
A16 故障等の場合には、非常点滅表示灯(ハザードランプ)を点灯させ、惰性で出来るだけ路肩に停止させるようにしましょう三角停止表示板があれば、速やかに自動車の後方に表示して、同乗者を含めガードレールの外側に待避します。
  交通事故の場合などで本線上に停止したときには、後続車両に注意して自動車から降りてガードレールの外側の安全な場所に待避します。(交通量が少ないときなど余裕があれば後続車に注意して三角停止表示板を表示します。)。
  次に非常電話を使って高速道路管理事務所に通報するか携帯電話から110番をして通報します。
  必要以上に本線車道上や路肩に立っていたり、本線にはみ出して故障車の修理をすることは危険なので、まずは警察や道路管理隊のパトカーが来るのを待ってから作業をするようにしましょう。
  最近、高速道路等で事故や故障車の修理をしている際や路肩などを歩いているときに、後続車両が衝突する事故が増えていますので、自分や同乗者の安全を最優先で考えましょう。




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高速道路に関するQ&A