警察庁が行った高速道路の交通事故に関する特別調査の結果では、高速道上での人と車の衝突する死亡事故や事故・故障などの理由で停止中の車に後続車が衝突し車内に乗ったままいた(留まり)乗員が死亡する事故が増加しているという。
 また、やむを得ない理由で停止した場合に使用する停止表示器材(三角停止表示板など)を携帯していない車が56%、発炎筒の積載位置や使用方法を知らない運転者が2割もいるという。
 事故にある前に・・・・被害者側にもやるべきことがあったはずです・・・・
警察庁の発表した概要は以下のとおりです。

1 概要
@ 24年中の高速道路における交通死亡事故は、3年連続して増加。
 中でも、先立つ交通事故や車両故障によって、高速道路の本線車道等に降り立った人(佇立者)や停止車両の車内に留まっていた人が、後続車両の衝突を受けて死亡する「人と車が衝突する死亡事故」「車内留まり中に衝突を受ける死亡事故」が、合わせて49件(高速道路における全死亡事故に占める割合25%、前年対比+9件)発生。

A 停止表示器材の携行状況等を調査した結果、携行率は約44%、自家用車、30代以下、女性の携行率が低い。
 また、発炎筒の備え付け場所も使用方法も知らない利用者が約2割。
交通事故など緊急事態が発生した場合の避難等措置の適否が生死を分けており、この傾向はここ数年増加傾向にあるため、全国の高速道路交通警察隊では、道路管理者と協力して各種対策を実施中。



2 佇立事故等の発生状況

 ※ 各円グラフ内の数値は、「事前の出来事 , 件数 , パーセ ント」を示す。
 ※ 「車内留まり」とは、単独事故等が発生した後避難等が可能にもかかわらず車内に 留まっている状態  をいう。

  ※ 平成23年中は、自ら停止表示器材を表示したのは2件のみ(40件中)
  ※ 平成24年中は、自ら停止表示器材を表示したのは1件のみ(49件中)

3 高速道路利用者の停止表示器材携行状況等調査結果
 警察庁では、この種事故の抑止に資するため、全国警察を通じて高速道路利用者に対して、停止表示器材の携行有無及び発炎筒使用に関する知識の有無について、アンケート調査を実施した。
その結果、高速道路利用者の56.5%は、停止表示器材の携行をしておらず、また8.7%の人は発炎筒の備え付け場所を知らないことが判明した。


← 高速道路利用者約6割が、停止表示器材を携行していない。
※ 有効回答数 7,790件
※ 調査対象
 SA、IC等で現に高速道路を利用しているドライバー
※ 調査方法
 全国の高速隊員による聞き取りによる。
※ 円グラフ内の数値 「件数 , %」








←・自家用車の方が停止表示器材の携行率が低い。
・事業用車も、携行率68%と低い。

















←・10代〜30代の若い世代のドライバーの携行率が平均よりも下回っている。
・ 男性よりも女性の携行率が全体的に低い。











 ↑ 有効回答数7,788件
    80.4%の利用者は、発炎筒の備え付け場所も使用方法も理解している。
    反面、発炎筒の存在や使用方法を知らない利用者が19.6%もいた。
    緊急事態発生時における対応に戸惑う原因の1つであることが判明した。 

4 高速道路を利用する方にお願い
○ 高速道路を利用する前に、安全な走行方法をおさらいしましょう。
    ※ 別添資料1「誤りです!高速道路のこんな認識・走り方」
○ 万が一に備えて停止表示器材(三角表示板等)を携行しましょう。また、もう一度発炎筒のある場所や使用方法を確認しましょう。
    ※ 別添資料2「発炎筒の点火要領及び停止表示器材(三角停止表示板)の効果等」
○ 緊急事態が発生した場合は、発炎筒や停止表示器材をすみやかに表示して、安全な場所に避難してください。
  本線上に立ちすくんだり歩いたりすることはもちろん、車内に留まる行為も大変危険です。たとえ大雨、極寒、猛暑でも、車外の安全な場所に避難してください。路肩に停止した場合でも同様です。

↑ 左図は、平成23年及び24年中に発生した人と車が衝突する死亡事故における人の佇立位置を調査したもの(車両を伴うものに限定)。
  緊急事態発生時には、ガードレールの外側など安全な場所に、速やかに避難してください。

○ 緊急事態が発生した場合の通報先にも注意しましょう。
 別添資料3「高速道路で緊急事態!こういう時ってどこに連絡すればいいのだろう?」を参考に、適切な通報先を選択してください。

※ 本広報における「車内留まり」の形態は、各都道府県警察から事故発生時に警察庁に寄せられる速報情報を元に、緊急事態発生時に「脱出可能な状態でありながら、あえて車内に留まったもの」を抽出している(捜査の結果によっては、脱出不可能なものも含まれることがある。)
緊急事態発生後の避難措置如何が「生死の分岐点」
〜こうなる前にやるべきことがあったはず・・・〜