二輪車事故の現状等

1 二輪車乗車中の死傷者数の推移

(1)死者数 

平成20年中の二輪車乗車中死者数は、自動二輪車乗車中が567人、原動機付自転車乗車中が423人で合計990人である。二輪車乗車中死者数を10年前の平成10年と比較する39.3%減と大幅に減少している。特に自動二輪車については36.0%と大幅に減少しており、原動機付自転車についても43.3%と大幅に減少している。

(2)負傷者数

二輪車乗車中の負傷者については、平成10年ころまではほぼ横ばい状態で、それ以降わずかに増加傾向に転じたが、平成16年に減少して以来若干の増減を繰り返しながらも自動二輪車、原動機付自転車ともに減少傾向で推移してきた。
 なお、平成10年と比較すると原動機付自転車乗車中は27.9減少し、自動二輪車乗車中の負傷者数は2.8%増加している(図1参照)。                                      

2 二輪車が関係する交通事故の特徴的傾向(平成20年中)

(1)発生状況

 交通事故発生件数は766,147件で、うち自動二輪車が第1当事者となる交通事故は16,872件、原動機付自転車が第1当事者となる事故は29,935件である。

(2)年齢層別

 年齢層別にみると、死者数は自動二輪車では20〜24歳が101人(構成率17.8%)と最も多く、次いで25〜29歳が63人(構成率11.1%)、35〜39歳が63人(同11.1%)、16〜19歳が81人(構成率14.3%)となっている。
 原動機付自転車では75歳以上が99人(同22.9%)と最も多く、次いで70〜74歳が58人(同13.4%)、65〜69歳が41人(同9.5%)と、原動機付自転車にあっては高齢者の割合が高くなる傾向にあり、65歳以上の計は198人で全体の45.8%を占めている。
 負傷者数は、自動二輪車(53,216人)では20〜24歳が10,668人(同20.5%)と最も多く、次いで25〜29歳が7,141人(同13.4%)、30〜34歳が6,590人(同12.4%)となっている。
 また、原動機付自転車(77,929人)では16〜19歳が13,310人(同17.1%)と最も多く、次いで20〜24歳が12,478人(同16.0%)となっている。
 さらに、65歳以上は11,893人(同15.3%)である。

(3)損傷部位別

二輪車乗車中(原付含む。)の当事者の負傷(損傷)部位をみると、死亡者(999人)中の損傷部別では「頭部」によるものが45.2%(447人)と全死亡者の約半数を占めており、次いで「胸部」が27.9%(276人)、「全損」が7.1%(70人)である。

重傷者(10,561人)中の損傷部別では、「脚部」が36.4%(6,645人)、次いで「腕部」が24.0%(4,379人)、「胸部」が16.1%(2,951人)である。
 また、軽傷者(112,667人)中の損傷部別では、「脚部」が39.8%(44,892人)、「腕部」で21.4%(24.207人)、「頚部」が13.2%(14,952人)である(図3)。

(4)通行目的別

 二輪車に事故について通行目的別にみてみると、自動二輪車、原動機付自転車ともに私用中の事故が多くそれぞれ私用中が70.2%、66.5%となっています。私用中の内訳を見ると自動二輪車ではドライブ、訪問、買物の順であり、原動機付自転車乗車中では買物、訪問の順になっている。
 なお、通勤(通学を含む。)は自動二輪車では18.9%、原動機付自転車では16.9%となっており、業務中と併せるとそれぞれ約3割を占めている。