妊婦のシートベルトの着用について

【妊婦はシートベルトをしなくてもいいの?】

  「妊娠している人はシートベルトをしなくてもいい。」と言う方が多いですが、本当でしょうか。

  道路交通法では、自動車に乗車する場合のシートベルト着用義務を定めています。
  しかし、どうしてもシートベルトをすることが好ましくない場合もあるわけで、一定のやむを得ない理由のある場合にはシートベルト着用を除外しています。

  妊婦についても、道路交通法施行令第26条の3の2第1項第1号(助手席の同乗者については同条第2項第1号)で、妊娠中であることにより座席べルトを装着することが健康保持上適当でない者は、道路交通法第71条の3第1項及び第2項のやむを得ない理由として装着義務が免除されています。

 このことは妊婦はシ−トべルトをしなくてよい。』ということではありません

 妊娠中であることにより座席べルトを装着することが健康保持上適当でない者をやむ得ない理由があるとして除外事由の一つに加えられたのには、座席べルトはその構造上、腹部が圧迫されることにより、当該妊婦又は胎児に悪影響を及ぼすおそれがないとは言えないことから、妊婦に対して座席べルトの装着を義務付ける(強制する)ことは適当でないと考えられたからです。

 最近では、エアバックの装備された車両が増えたことや、シートベルトベルトの性能の向上などから、妊婦もシートベルトをすべきであるという考え方が主流になってきています。
 
 医学界でも、「ブレーキの時や事故時に腹部を圧迫するおそれがあり流産等の危険性がはらむ」という意見や、 「シートベルトを腹部の下方に深く装着することで、腹部圧迫をさけることができれば、流産等の危険性は低減する」という意見など、賛否両論があるようです。
 
 私見ですが、妊婦が座席ベルトをしないと、交通事故等の際に車外に飛び出したり、ダッシュボードに打ち付けたり、エアバックにより妊婦の体に大きなダメージを与えることにもなりかねません。その結果場合によっては母体や胎児に危険を及ぼすことになりますので、出来るだけシートベルトを使用すべきですし、その際に腹部を圧迫しないような着用をすべきですね。
 
 一概にはいえませんが、自動車乗車中の妊婦の安全を確保するためにはどうしたらいいのか。それぞれを考えてみませんか。

 安全の問題は、法律で除外するとかしないとかという問題ではないはずです。

 母体と胎児の安全を守るのは運転するあなたですし、妊婦であるあなた自身の問題です。

 

妊婦の方がシートベルトをするときは

  ○ 腰ベルトは大きくなったおなかを避けて、腰骨の出来るだけ低い位置に当てる
  ○ 肩ベルトは、肩から胸の間を通し、腹部を避けて体の側面に通す

ようにして腹部を圧迫しないようにしましょう。

         


JAFや妊婦のシートベルト着用を推進する会のホームページもご覧下さい
 JAF http://ch.jafevent.jp/detail.php?id=182_0_48511
 推進する会 http://www.maternity-seatbelt.jp/

                  
 
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