「 ト ラ イ ク 」 ってなぁ〜に?


1.トライクとは?

 トライクは、「三輪バイク」と称されることもあるが、車輪が車両中心線に対して左右対称な二等辺三角形に配置されたもの。前二輪・後一輪のトライクは逆トライク、リバーストライクとも呼ばれている。
 トライクは一定の要件が満たされると、「普通免許」で運転できる、「シートベルトやヘルメットの着用義務がない」。
しかし、外形上は同じようなトライク形式であっても、「二輪免許が必要」、「ヘルメットの着用義務がある」ものがあるので注意が必要である。


2.トライクの特性

 トライクは、二輪車に乗っているような風を切る感覚を楽しむことでき、しかも道交法上は普通免許で運転できることから人気が出てきているが、その特性を良く理解して使用することが安全上大切である

<トライクの特性>
○ 停止時と低速時に転倒することが少ない(自立性がある)が、カーブでの旋回時に遠心力を受け、4輪車と比較して安定性に限界がある。
 あらかじめカーブにさしかかる前に速度を落とすことが必要だ。また後二輪のものは、旋回中にブレーキを働かせて減速する際、遠心力と慣性力の合成によって転倒しやすい。
○ 二輪車に比べ車体が大きく重い。そのため、機敏な動きが取りにくく、また狭い場所などを通行する際に後輪を接触させたりしやすい。
○ 燃費効率が二輪車より悪い。 
○ 二輪車に近い構造であり、悪天候時や交通事故の際に車外放出など乗員を保護する機能が脆弱である。


3.トライクに関わる法令

(1)道路運送車両法上の規定
・ 総排気量が250ccを超えるものは、「二輪の小型自動車」として取り扱われ、車検証の車体の形状欄は「側車付オートバイ」と記載される。
・ 車検が必要である。〜 管轄は運輸支局
・ 50cc超250cc以下のものは、「側車付軽二輪」扱いになり軽自動車検査協会への届出対象(車検不要)である。
・ 50cc以下のものは、車体要件を満たしていれば原動機付自転車としての扱いとなり、満たさなければミニカー扱いとなる。管轄は市町村

(2)道路交通法上の規定
  〜 50CCを超えるもの 〜
・ 一般道での法定最高速度は60km/h
・ 高速道路での法定最高速度は80km/h
・ 普通自動車に準ずるものとして扱われ、運転免許は普通自動車免許以上が必要であり、二輪免許では運転不可であり無免許運転になる
・ ヘルメットの装着義務はなく、かつシートベルト着用義務もない
 ※ 50cc以下で第一種原動機付自転車として取り扱われたものについてはヘルメットの装着が必要であり、原付免許以上で運転可能
  この場合の法定最高速度は30km/hであり、自動車専用道路、高速道路は走行できない。

(3)普通免許で運転できるトライクと、二輪免許を有する三輪バイクの違い
 外形上同じように
  ・ 三個の車輪を備えるもの
  ・ 車輪が車両中心線に対して左右対称の位置に備えられているもの
であっても、次の条件のいずれをも満たすものは二輪免許が必要になる

  @ 同一線上の車軸における車輪の接地部中心の間隔が460mm未満であるもの
  A 車輪および車体の一部、または全部を傾斜して旋回する構造を有するもの

 @Aの構造のどちらかでも満たさない場合には普通免許以上の四輪運転免許で運転することができるトライクである。
 ※ 2010年9月1日から、3個の車輪を有する自動車に適用する保安基準(細目告示第2条の2関係)

(4)まとめ
○ 免許の種類
 50ccを超える前記(3)の区分により@Aのいずれをも満たすトライクは自動二輪免許、@Aのいずれかが満たさない「側車付軽二輪」、「二輪の小型自動車」に該当する場合には普通免許で運転できる。
○ 普通免許で運転できるトライクの義務
・ シートベルト、ヘルメットの着用義務がない。
・ 50ccを超え250cc以下のトライクは道路運送車両法で『側車付軽二輪』として扱われるので高速道路(自動車専用道路)を走行可能。
・ 法定速度は、一般道では60km/h、高速道路では80km/h(側車付オートバイである)  
 ※ 宅配などで使われている50cc以下の三輪原動機付自転車は、原動機付自転車免許以上で運転可能


4.トライクを運転する際の留意事項

 二輪や四輪の運転特性と異なる運転特性があるので注意が必要である。

・ 左右が対称の車輪なので、直線の道路をただまっすぐ走らせるだけなら、バイクと同様の操作でOKだ。
・ カーブやコーナーでは要注意 〜 交差点での右左折やカーブにさしかかる際に2輪車と同じ感覚の速度で進入すると危険だ。
 速度が高いと旋回の内側にある後輪が浮く、つまり左折する際には左後輪が路面から浮き気味になり、速度が高いと右方向に遠心力が働くので転倒する危険がある。
・ ハンドルは腕の力できる
 二輪車は体重移動でコーナーを通過するのでハンドルを切るという意識はあまりないが、トライクやサイドカーはハンドルを腕の力で切ることになる。
・ ブレーキ操作
 二輪車のブレーキ系統をそのまま使うことから、四輪車と異なって前後独立して使用することが出来る。基本は二輪車と同じように前輪ブレーキをメインに使用することになる。

トライクの運転に当たっては、特にカーブや右左折時に十分に減速(スピードダウン)することが大切である。
また、車輪の浮きを抑えるためには体重移動も必要な運転テクニックである。
スピ−ドを出し過ぎ(オーバースピード)ると、斜め前方に投げ出されそうになったり、斜め前方に車両が横転することがある。
トライクの特性を理解して運転することが大切である
 

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