Q 駐車違反の取り締まりが厳しくなったと聞くけど本当?
A 
 
1台の駐車が交通の大きな妨げとなったり、事故の原因にもなることから、悪質・危険・迷惑性の高い放置駐車違反については、駐車時間の長短にかかわらず放置車両確認標章」が取り付けられることになりました。

Q 放置駐車違反ってどういう違反なのですか?

 放置駐車というのは、駐車違反の中でも運転者が車両から離れていて直ちに車両を運転することができない状態にあるものをいいます。

Q 荷物の積み卸しや宅配業者などの荷物の集配のための駐車はどうですか?
 
 道路交通法の「駐車」の定義では、「貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止は除く。」とされています。ですからその範囲であれば駐車違反からは除外されます。ただし集配であっても運転者が車から離れている場合や所定の時間を超えての荷物の積み卸しは放置駐車違反になります。

Q 駐車違反の取締りの民間委託ってどういうことですか?

 駐車違反の取締りをする際に行われる放置駐車をした車両であるかどうかを確認する業務が委託されました。

Q 民間委託を受けた監視員は具体的にどのようなことをするのですか?

 あらかじめ定められた活動エリア(重点区間や重点地域)が警察から指定され、そのエリア内において放置駐車をしている車両があると認めた場合に、たとえば駐車している状況を写真撮影をする、違反車両のナンバーや特徴をメモする、「放置車両確認標章」を作成して車両の窓ガラス等に貼り付ける、そして違反車両に関するデータを警察署に送付するというような作業を行います。

Q 「放置車両確認標章」にはどういうことが書いてあるのですか?

  「放置車両確認標章」は車の使用者宛に発するものなので、車の登録番号(ナンバー)、違反の日時、場所、態様、取扱いの警察署、取扱者、連絡先電話番号などが記載されています。この標章が貼られていた場合には、運転者の人は直ぐに車両を移動しましょう。

Q 駐車監視員の人は、反則金や違反金の徴収も行うのですか?
 
 駐車監視員は、反則金や違反金などの金銭の徴収を行いません。もちろん交通反則切符を作成するのも警察官や交通巡視員です。

Q 委託を受けた民間法人は誰に確認業務を行わせてもいいの?ですか?

 放置車両の確認業務を行うのは、一定の講習等を受けて「駐車監視員資格者証」の交付を受けた者の中から選任された「駐車監視員」でなければなりません。

Q 誰でもできる訳けじゃないんですね。受託した民間法人や駐車監視員には確認件数のノルマが課せられるのですか?
A 
 民間法人に確認件数のノルマはありません。委託料は確認した車両の台数に応じて支払うわけではないのです。だかといって駐車監視員が違反者と知り合いだから違反を黙認するとか、ノルマがないからといってその業務を怠ると「駐車監視員資格者証」を返納させられたり、所属する法人に対する委託の取消し等の対象になります。警察官が巡回して、駐車監視員がきちんと確認業務を行っているかどうかの管理も行っているようです。

Q 駐車監視員の行っている業務に因縁をつけて妨害するとどうなるのですか?
A 
 駐車監視員の行う確認業務は、一定の公益性を有する業務で、かつその業務の公平性等を担保するため、駐車監視員は法律上「見なし公務員」になっています。つまり刑法上の一定の犯罪行為に関しては、公務員と同様に扱われることになり、たとえば、駐車監視員に暴力をふるうと「公務執行妨害罪」が適用されたり、駐車監視員に違反を見逃してもらおうとお金を渡すと「賄賂罪」が適用されることになります。また駐車監視員には守秘義務は課せられているので業務上知り得た秘密を漏らしてはなりません。

Q 新しい「放置違反金」という制度は、どういうものなのですか?
A 

 放置車両として確認された車両に「放置車両確認標章」が取付けられた日の翌日から30日以内に、運転者が反則金の納付などを行わなかった場合に、その車両の使用者に対して公安委員会が放置違反金(反則金と同額)の納付を命ずることになり、放置違反金の「(仮)納付書」郵送されるので、それを使って指定金融機関から放置違反金を納めます。

Q この場合の車両の使用者って誰になりますか?
 
 通常「使用者」とは、自動車検査証に記載されている使用者のことを指します。

Q その放置違反金を使用者が支払わない場合にはどうなるのですか?
A 
 
放置違反金の納付を命じられた者が期限までに支払わない場合には、放置違反金と延滞金、督促に要する手数料等を加えた金額をさらに督促されます。督促で指定された納付期限までに放置違反金を納めない場合には、地方税の滞納処分の例により強制的に徴収されます。

Q 地方税の滞納処分の例ってどういうことですか?
A 
 
税金を滞納して支払わない場合に、財産の差押え、売却等を行い税金を徴収する手続きがあります。最近給与が差し押さえられた例があります。

Q 「放置違反金」を納めた場合にはどうなるのですか?

 「放置違反金」の納付を命じられた車両の使用者等が、放置違反金を納めた場合、その原因になった放置駐車違反についての責任追及は終了します。

Q 車検ができなくなるとも聞いたがどういうことですか?
 
 駐車違反の逃げ得を許さないという観点から、新しく「車検の拒否」という制度が出来たました。違反した車両の使用者が放置違反金の支払い督促を受けた場合には、放置違反金等を納めたことを証明する書面を提出しないと、違反した車両の車検が拒否されることになります。 

Q 「使用制限命令」の対象になると聞きましたがどういうことですか?

 常習違反者に対する「車両の使用制限命令」というのがあります。これは放置違反金の納付命令を受けた使用者が、6か月以内に同じ車両に対して納付命令を3回以上受けた場合には、3か月を超えない範囲内で、車両の使用が制限され、その間使用できなくなります。


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