高速道路における逆走事故を分析 高齢運転者の逆走行為が目立つ! 〜警察庁特別調査結果〜 |
警察庁が特別調査した、平成22年9月〜本年8月末までの2年間に全国の高速道路・指定自動車専用道路(高速隊が扱う道路)において取り扱った逆走事案について調査分析した結果(警察庁交通局交通企画課高速道路管理室の発表(平成24年9月26日)資料より)
1 逆送事案の件数
この間に取り扱った逆走事案は447件で、このうち交通事故は78件(死亡10件、負傷28件、物損40件)、残りは逆走行為を行ったことが確認できた数
2 年齢層別
逆走行為の約7割が65歳以上の高齢運転者であり、中には認知症や認知症の疑いのある運転者もいた。
3 逆走の理由
落とし物や道間違い、流出すべきICを通り過ぎた、事故を起こしてしまい逃げようとしたなど・・・
中には認知症のためか自分の走行していた道路が高速道路であることすら認識していない逆走運転者もいた。
4 重大事故の発生率
逆走による「重大事故の発生率」は高く、高速道路全体の死亡事故発生率は1.57%、逆走事故における死亡事故発生率は24.7%、
つまり死亡事故の発生率は逆走車両が関係する事故の方が約15倍高い。
※ 高速度で正面衝突することがあることから当然かもしれませんね
5 逆走車両の走行車線
逆走車両の約6割は「追越車線」を走る
※ 逆走車の運転者は、高速道路を走行しているという意識が薄く(認知症等の疑い者も多い・・)、普段の運転がキープレフト、つまり
道路左側を走る習性にあることから順行車両の運転者からみると、追越車線を対向進行してくる例が多いようだ。
6 逆走開始場所
料金所付近約3割、ICランプ約2割、本線上約2割
7 事故防止のために
(1)逆走しないために
@ 逆走車両の運転者の約7割が高齢者であり、その約52.6%が認知症又は認知症の疑いがある者であることを考えると
○ 体調の変化や動体視力・判断力などの身体機能の低下を認識して運転を差し控える
○ こまめに休憩をとり、安全な速度で進行する
○ なるべく家族が同乗する
○ 家族が注意を払い、高齢者が認知症の疑いや体調が不良、身体機能の低下が著しく運転に不安を覚えるような際には運転を中止
させる、運転免許証の返納をする
A 一般的な逆走防止
○ 高速道路は一般道と異なり、駐停車禁止であり車両が高速度で走行し危険であることを再認識する
○ 落とし物、忘れ物をした場合でも戻らず、非常電話などで通報して巡回車両(管理隊)などに回収を依頼する
○ 道間違いの場合には、次のインターまで走行して戻ってくるなどの対応をとる
(2)逆走車両との衝突を避けるために
○ 追越車線を走り続けない 〜 追い越しが終わったら走行車線に戻る
※ 逆走車両の6割が追越車線を走行することを勘案すると、直線道路ではある程度前方の確認ができるが、緩やかなカーブ地点
では・・・特に右カーブでは前方の安全確認がとりにくく、速度を出しすぎていると気がついたら避けられないということに・・・
○ 速度を控え、前方の安全を確認しつつ走る
逆走車両に限らず、高速道路上には落下物、事故や故障で停止している車両、佇立者がいることがあるので、速度を控え、安全を
確認しつつ走行する 〜 高速道路は必ずしも安全な場所とは言えないことを自覚する
○ 道路情報板や速度規制標識などに注意する
逆走車両があることを認知した場合、警察や道路管理会社では、道路情報板に「逆走車あり、注意!」などの表示をしたり、速度
規制標識を「50」km/hに変えたりするので、標識や情報板の情報に注意しながら走行する
○ 逆走車両を発見したときは、あわてず、ハザードランプを点灯し、減速徐行する
逆走車両の走行する車線を避け、安全な場所に車を寄せる
高速道路は、「信号機もない、歩行者の飛び出しもない、高速度で走れる・・・安全な道路」
あなたはそう思っていませんか・・・・でも、実際には・・・
逆走車両、落下物、故障や事故で停止している車両、佇立歩行する人、鳥獣の立ち入り・・・・・・危険がいっぱい隠れています
安全な速度と慎重な運転に努めましょう!!
「高速道路で逆走? そのときあなたは避けられますか?」
警察庁が発表した
「交通事故に直結する高速道路上の主な交通違反〜リスクを知って安全運転〜」
を確認してみましょう(ジャンプします)
一人一人が自分のものとして交通安全を考えましょう。